法人格を取得するには

商業・法人登記

法人格を取得するためにされる「会社」、 「一般社団法人」、「一般財団法人」のいずれかの設立に関する法律行為のことを設立行為と言います。
設立登記は、会社や法人の成立の際、その目的・名称・主たる事務所等の法定事項を公示するため、一定期間内に主たる事務所及び従たる事務所の所在地における管轄法務局でなされる登記です。
会社設立はご自身で行うこともできますが、経験豊富は司法書士にご依頼ください。登記だけでなく、企業法務に関するサポートを行っています。

司法書士がサポートできること

  • 機関設計のアドバイス

    機関設計のアドバイス

    株式会社は、株主総会のほか一人以上の取締役を置けば足りることとなり、定款に定めることによって取締役会、監査役、監査役会、会計参与、会計 監査人又は委員会をおくことが可能です。また、株式譲渡制限会社と公開会社、取締役会設置会社と非取締役会設置会社、大会社と大会社以外の会社かにより、 役員の資格、員数等の会社法適用規制が異なるようになりました。司法書士は、これらに関する登記のみならず、会社の求める機関設計についてのアドバイスも しています。

  • 機関設計のアドバイス

    定款の作成サポート

    株式会社が株券(株式を表わす書面)を発行する場合、定款に「株券を発行する旨の定め」を 定めてその旨を登記しなければならず、発行する株式の種類も登記を必要とする場合があります。
    会社法により、会社の定款は、設立後の会社経営に重大な影響を及ぼすものとなりましたので、十分に吟味して作成することが必要 です。司法書士は、定款の内容をアドバイスし、商業・法人登記の専門家として、設立手続のお手伝いをしています。

  • 組織再建などの経営者サポート

    組織再建などの経営者サポート

    会社は、常にいろいろな戦略で新しい業務を展開し、経営されています。例えば、株式会社が合同会社、合名会社、合資会社のいずれかに組織を変更するなどの「組織変更」。会社が吸収合併・吸収分割・株式交換したりする「吸収型再編」 。新設合併・新設分割・株式移転などによる「新設型再編」などです。これらの方法は、総称して「組織再編」と呼ばれていますが、司法書士は、企業法務の分野においても経営者の方々のサポートをしています。

  • 事業承継などの経営者サポート

    事業承継などの経営者サポート

    日本の 企業全体の約9割を占める中小企業の経営者の平均年齢は、およそ60歳ともいわれており、先代経営者の引退・死去による後継者への事業承継は大き な問題となっています。
    司法書士は、会社の事業承継問題に関するアドバイスを行い、成年後見業務、贈与・遺言、不動産の相続登記など、幅広い法的サービスを提供して、経営者をサポートしています。

会社の設立に関してよくある質問

質問1
3人でお金を出し 合ってネット通販の会社を立ち上げようと思います。銀行借入れに頼らず、自分たちの身の丈に合った規模で始めようと思っていますが、資本金はどのくらいと するのが妥当でしょうか?

少なくとも、2~3か月分のランニングコストに相当する金額を用意してお くべきでしょう。

会社法の規定では、資本金の額に関する制限は設けられておりませんの で、極論すれば1円でも構わないことになります。現に「資本金1円」で登記された会社を目にしたことも何度かあります。
しかし、資本金というのは会社の運転資金に充てられるお金で す。ご質問者は、仲間のお二人と一緒にネット通販を起業しようと考えられているようですが、どんな商品を取り扱うにせよ、顧客からの受注に迅速に対応する ためには一定の在庫を抱えておく必要があるでしょうから、仕入れのための資金が必要になることでしょう。また、取り扱う商品によっては、在庫を保管してお くための倉庫を借りる必要もあるでしょう。そのほかにも、ホームページの管理や配送のための通信費、事務所の賃料や水道光熱費など、何のご商売をするに際 しても毎月一定のランニングコストが生じます。
起業に際しては、販路についてもある程度の見通しを立てられ ていらっしゃると思いますが、ご商売が軌道に乗るまでには少なくとも2~3か月の期間を要するでしょうし、販売した商品代金のすべてが速やかに回収できる わけではなく、顧客の締日や支払日の都合上、代金回収が1~2か月程度先になることも予測しておかなければなりません。起業した途端に、これらの支払いに 窮することになってしまっては、何のために起業したのか分かりませんよね。
また、会社設立手続きに要する司法書士への費用、会計帳簿作 成のための税理士への費用、従業員を抱える場合には労務管理のための社会保険労務士への費用など、会社の事業執行には通常では想定できないようなさまざま な経費も発生します。さらに、印鑑、封筒や名刺などの事務用品、パソコンや複合機等の機械器具その他の什器備品などを買いそろえる必要もありますね。
このように、ご質問者が考えておられる事業形態を考慮し、想 定される月々のランニングコストを丁寧に検討したうえで、少なくとも2~3か月分のランニングコストに相当する程度の金額を資本金として確保しておくべき です。また、予測できない突発的な資金需要に対応できるように、若干の余裕資金も加味されることをお勧めいたします。

質問2
3人でお金を出し合って会社を作ろうと思います。会社を設立するにあたって、3人で出し合ったお金はどのように取り扱えばよいでしょうか?

それぞれの出資額を決めたうえで、代表者の方の預金口座に皆さんの出資金 を集めましょう。

会社への出資金ですから、会社名義の預金口座を作ればよい・・・ と考えがちですが、どこの金融機関でも、まだ存在していない会社名義の預金口座は開設 してくれません。会社は法務局への「設立登記」によって誕生します。そこで、登記申請前の設立準備手続き中における出資金の管理方法が問題となるのです。
ところで、会社の設立手続きに際しては、出資金を負担する発起人全員で会社の定款を作成する必要があります。定款では、会社の商号や事業目的のほかに も、誰を発起人とするのか、出資総額をいくらとするのか、それぞれの発起人はいくらの出資金を負担するのか等、出資に関する事項についても取り決めなけれ ばなりません。なお、出資総額(あるいはその最低額)は必ず定款に記載しなければならないのに対し、各発起人の負担額は必ずしも定款に記載する必要はあり ません。ただし、定款に記載しない場合も発起人全員の同意の下で取り決めなければならないことになっています。
出資を受けた会社は、発起人に対し、出資額に応じて株式を発行します。株式には、1株ごとに株主総会における議決権が1個ずつ与えられるのが通常ですの で、出資額の多い発起人ほど会社を経営するうえでの発言権は高まります。つまり、出資額の多寡は発起人の利害関係に大きく影響しますので、会社法は各発起 人の負担額を発起人の総意によって決定することとしたわけです。
このようにしてそれぞれの負担額が決定したら、発起人の中から代表者おひとりを選びます。出資額の多寡は問いませんので、発起人でありさえすればどなたで も代表者となることができます。

次に、各発起人は、発起人のうちのいずれかの預金口座に決められた出資額を振り込みます。その預金通帳の表紙と発起人全員からの振込みまたは入金のあっ たことが分かる該当部分のコピーは、設立の登記の際の添付書類の一部になります。
無事に設立登記が完了すると、法務局は、会社が誕生した証として「登記事項証明書」という書面を発行してくれます。また、市区町村役場で個人の印鑑証明 書が発行されるように、法務局では会社の印鑑証明書が発行されます。登記事項証明書を金融機関に提出することによりはじめて会社名義の預金口座が開設でき るので、出資金を代表者名義の預金口座から新たに開設した会社名義の預金口座に振り替えることで、会社財産として管理することができるようになるわけで す。

質問3
個人で水道工事業を 営んでいます。元請けから「株式会社にしないと今後の取引は継続できない」と通告されましたが、経営状況が芳しくないため余裕資金はありません。事務所の 建物と営業車が私の所有物となっています。ローンも残っていませんのでこれを資本金代わりとしたいのですが、可能でしょうか?

条件次第では、現物出資も有効活用できます。

ご質問者のように取引先から法人化を求められるケースは少なくないようです。対外的な信用力を求めれば「個人事業よりも会社組織で!」という要請につな がるのでしょうが、ご質問者のケースのように、法人化への障害を抱えられている場合には深刻な問題となりますよね。
さて、資金的な余裕に乏しいご質問者は、設立する会社に対し、ご自身名義の事務所の建物と営業車を現金の代わりに出資したいと考えられているようです。 このように現金以外の財産を出資する方法は、「現物出資」として会社法でも認められています。
ところで、会社の設立に際しては定款で出資総額(あるいはその最低額)を定める必要があり、現実の出資額が定款で定められた額に著しく不足する場合、発 起人は原則としてその差額についての支払義務を負うこととされています。
この点、現金出資であれば問題となることはありませんが、現物出資の場合には出資された財産の評価額が定款で定められた額に見合っている否かが問題となり ます。そこで会社法は、現物出資による設立を希望する場合、発起人が設立登記申請に先立ち、裁判所に対し「検査役」と呼ばれる者の選任を申し立てなければ ならないことを規定しました。検査役には通常、弁護士や公認会計士などの法律や会計の専門家が選任され、出資された財産の価額を適正な根拠に基づいて評価 し、調査報告書をとりまとめます。この調査報告書が設立登記申請の添付書類となり、登記官による「定款で定められたとおりの出資があったか否か」を審査す るための資料となるわけです。
しかし、検査役の選任手続きや調査報告書の作成のためには多額のコストと長期の時間を要することから、この原則をすべてのケースに適用するのは不合理と 考えられます。そこで会社法は、一定の現物出資には検査役の調査を不要とする規定を置いています。例外のひとつに「現物出資の総額が500万円以下なら検 査薬の選任は不要」という規定がありますので、その範囲内での現物出資であればご質問のようなご希望に沿った設立手続きも進められそうです。
ただし、会社を運営するためには、現実問題として最低限のランニングコストを支払うための現金が不可欠です。したがって、すべてを現物出資で対応するの ではなく、可能な範囲内での現金出資と併用されることをお勧めいたします。

質問4
私は不動産仲介を営む会社の社長です。このたび、息子が新規でソフトウェア関連の会社を立ち上げるにあたり出資を頼まれたのですが、個人ではあまり余裕資金がありませんの で、会社で出資をしたいと思います。何か問題があるでしょうか?

出資する側の会社の事業目的と、出資される側の会社の事業目的を確認してください。

発起人は個人に限られません。会社法では、定款には発起人の「氏名または名称」および住所を記載する必要がありますが、「氏名」は個人、「名称」は法人 を想定した規定ですので、法律上も会社が発起人になることは当然に想定されています。
だからと言って、会社は無制限に他の会社の発起人になることが認められるわけではありません。というのも、会社を含めたあらゆる法人の活動は、定款で定 められた目的の範囲内に限られるとされているからです。
もっとも、ご質問のような不動産仲介業を営む会社が定款には定められていない賃貸不動産の管理業務を行ったとしても、その行為が法的に無効となるわけで はありませんし、ほとんどの会社の定款には、その事業目的を定めた条項の最後に「上記各業務に付帯する一切の業務」等と設けてあるのが通常で、これによっ て活動範囲をできる限り幅広く捉えようと工夫されているのです。
しかし、会社の設立の局面においては、会社が他の会社の発起人となる場合、発起人となる会社の登記された事業目的と設立しようとする会社の定款に規定さ れた事業目的とを比較し、その一部が合致しまたは包含関係にあるか、あるいは少なくともその一部が関連したものであることが必要と考えられています。
不動産仲介会社とソフトウェア関連会社とでは、事業目的に相互の関連性がないことが通常と思われますので、発起人となるに先立ち、ご質問者が経営されて いる不動産仲介会社の事業目的にソフトウェア関連の業務を追加するための定款変更手続きを行い、その旨の変更登記申請手続きを済ませておく必要がありま す。あるいは、「他の会社への投資」という事業目的を追加する方法でも対応可能と考えられます。もちろん、新規に設立する会社の事業目的に不動産仲介業を 加える方法も可能ですので、事案に応じてご検討いただければ結構です。
なお、会社が金融機関から融資を受けようとしたり、リース会社との間でリース契約を締結しようとしたりする場合、登記された事業目的の中にいわゆる本業 とは無関係の事業が掲げられているときには、融資やリースを拒否されるケースもあるようです。このような対応は金融機関やリース会社の内規によるものであ るため、必ずしも画一的な対応がとられてはいないようですが、ご質問のように他の会社への出資のために事業目的を追加するようなケースでは、融資を受ける 等の場面で事後的に不都合が生じる可能性もありますので、慎重に対応する必要がありそうです。

質問5
私は現在、個人で居酒屋を経営しています。開店から5年経ち経営も軌道に乗ってきたため、2店舗目の出店を機に法人化しようと思うのですが、個人事業から法人化することのメ リットはなんでしょうか?

会社は法務局に対して設立登記をすることにより誕生します。会社を設立すると、その会社に法人格というものが与えられ、個人と同様に扱われます。つまり、 従来代表者名義で行っていた取引や預金口座の開設、融資を受ける等の行為が、会社名義でできるようになるのです。
会社名義での預金口座の開設が可能になると、個人の財産と会社の財産とが明確に区分され、例えば、個人事業主が事業に失敗した場合、債権者に対して自らの 家、屋敷を売ってでも弁済していく責任が生じます。しかし、会社の場合には、原則会社財産の範囲内でしか責任を負いません。会社の所有者は、設立に際し出 資した金額を限度として責任を負えばいいわけで、たとえ事業に失敗したとしても、家、屋敷まで手放す必要はなく、出資金が返って来ない危険性を覚悟すれば 良いわけです。法人化すれば個人責任が限定されるといわれるのはこのためです。ただし、設立する会社の種類によっては個人責任を負うこともありますので注 意が必要です。
また、事業主が亡くなられた場合、個人事業であれば相続の手続きの間、預金口座が凍結され、取引活動に支障を生じますが、会社の場合、先述のように個人 の財産と会社の財産とが区分されているため、そのような心配はなく、滞りなく事業継続が可能です。
ところで、登記をすることでその会社の目的や商号、本店所在地、代表者の住所氏名や資本金の額等の情報が記録されます。この記録は一般に公開されており、 登記事項証明書という形で誰でも取得できるため、その会社が実在しているかも含め、取引上重要な事項を簡単に確認できます。対外的に信用度が高いといわれ るのは、この登記事項証明書により透明性が確保されているためです
その結果、選択可能な仕入れ先が増える、従業員の採用活動が効果的になる、銀行から融資が受けやすくなる等、事業を拡大する局面において、個人事業の場合 より有利に扱われます。2店舗目の出店を検討されているということですが、駅ビルやショッピングセンター等、集客力のある大規模な商業施設への出店であれ ば、より高い信用力が必要となることでしょう。
また、税制面においても、個人事業の場合に課される所得税は累進課税であるのに対し、法人税は定率課税であるため、一定規模以上であれば法人化のメリット は十分にあるといえます。仮に、大規模な事業拡大でなくとも、資本金1000万円未満であれば消費税が最大2年間免税されるというメリットもあります。

質問6
現在、浜松洋品製造 株式会社という会社名で製造業を営んでいますが、これからは販売にも力を入れていきたいと思っています。そこで、浜松洋品製造販売株式会社という会社名の 子会社を同一住所に設立したいと思いますが、同一場所には会社を設立できないと聞きました。本当でしょうか。

法律では、既に登記されている商号(会社名)と同一の商号は、同一の本店 所在場所では登記することができないものとされています。ここで、「同一の商号」というのは、商号の表記が完全に一致する場合のことをいうとされています。
ご質問のケースでは、「浜松洋品製造株式会社」と「浜松洋品製造販売株式会社」とは、「販売」の文字の有無の相違があり、完全に一致するとは解されていま せん。仮に、新会社の商号を「株式会社浜松洋品製造」とする場合にも、「株式会社」の位置が異なるため、完全に一致するということはできません。また、新 会社の商号を「はままつ洋品製造株式会社」とする場合にも「浜松洋品製造株式会社」と同一の商号ということはできないものと考えられています。
なお、「同一の本店所在場所」というのは、既に登記された所在場所と区分できない場所と考えられており、具体的には次のように整理することができます。
<以下は箇条書き等で例示>
たとえば、既に登記されている本店所在場所が「浜松市中区○○町1番地司法ビル」である場合、「浜松市中区○○町1番地司法ビル1階」は同一と考えられま すが、「浜松市中区○○町1番地司法ビル1階」に対し、「浜松市中区○○町1番地司法ビル2階」は同一ではないと考えられています。また、「浜松市中区 ○○町1番地」に対し「浜松市中区○○町1番地101号室」は同一と考えられています。
<以上箇条書き等で例示>
以上により、結論としては、「浜松洋品製造販売株式会社」の設立は可能ということになります。もっとも、お尋ねのケースでは、子会社の商号は親会社の商号 と非常に似ているため、商取引上、混乱が生じる可能性があります。
たとえば、仕入先が子会社の発注により納品して子会社に対する売掛債権が発生した場合、仮に、仕入先が間違って親会社に対する売掛債権を有するに至ったと 認識してしまう可能性も否定できません。仕入先としては長年取引をしてきた親会社だからこそ発注に応じたのであり、新会社であれば割引率、支払サイトなど の取引条件の見直しを検討したかったなどという考えがあったかもしれません。
したがって、単に登記が可能か否かという観点だけではなく、商取引上の観点も含めて検討されてはいかがでしょうか。

会社の事業目的に関してよくある質問

質問7
健康食品販売の株式 会社を経営しています。今後、薬の販売もしていこうと思うのですが、定款を変更して事業目的に「医薬品の販売」と加えればよいのでしょうか?

ご質問の趣旨は、これから薬事法に定める許可申請手続きを進めるにあた り、その準備としての会社の定款変更や登記申請をする上で、なにか注意をすることはないか、ということですね。
薬事法25条には、「医薬品の販売業の許可は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める業務について行う。」として、「一 店舗販売業の許可」、 「二 配置販売業の許可」、「三 卸売販売業の許可」を定めています。したがって、これから始めようとする事業が、このうちのどれに該当するかを意識した 事業目的の表記をすることが望ましいと思われます。例えば、一般用医薬品を店舗において販売することを予定しているのであれば、事業目的を「医薬品の店舗 販売業」、同様に、いわゆる「富山の薬売り」のように、一般用医薬品を配置により販売することを予定しているのであれば「医薬品の配置販売業」、医薬品を 薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者等に対し、販売することを予定しているの であれば「医薬品の卸売販売業」のように記載すれば、根拠法に基づいたより明確な表記となるでしょう。
ただ、許可申請を受け付ける保健所においては、必ずしも固定的にこの表記でなければ許可しないというような取り扱いをしているわけではなく、単に「医薬 品の販売」とか「医薬品の小売業」のような定め方であっても、問題はないようです。
また(医薬品販売のお話を離れますが)、障害福祉サービス事業を行うために県・市の指定を受けようとする場合、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的 に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」と表記すれば、同法の定める居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期 入所、重度障害者等包括支援、施設入所支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援及び共同生活支援等のすべてを含むと理解される一方、例えば、就労継続 支援A型のみの指定を受けたい場合には、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく就労継続支援A型事業」のような表記が好ま しいようです。
いずれにしても、上記の例のほか、古物商、建設業、風俗営業など、事業を開始するにあたって許認可等が必要な営業については、事業目的の表記について、事 前に監督官庁に問い合わせることをお勧めします。

質問8
会社で損害保険の代 理店を始めたいのですが、保険会社から「定款の変更をして欲しい」と言われました。何をすればいいのでしょうか。

損害保険会社と代理店契約を締結して損害保険代理店を開設するには、保険業法にもとづき、代理店の商号、事務所所在地などについて内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。そして、その登録申請書には、会社の定款または 登記事項証明書を添付する必要があります。これは、登録を申請した会社が損害保険代理業を営むことができる旨規定されていることを確認するためです。
お尋ねのように、保険会社が「定款を変更して欲しい」と言った趣旨は、定款に記載されている会社の事業目的に「損害保険代理店業」など、損害保険代理業を 営むことができることを明示して欲しいという趣旨であると思われます。
定款には、会社の事業目的を含め、その会社の基本的なルールが定められていますが、定款に定められた事項を変更するためには、株主総会を開催し、定款変更 議案を承認していただく必要があります。そして、株主総会の開催された日時、場所、議事の経過の要領、その結果等を記載した株主総会議事録を作成して事業 目的の変更登記を申請する必要があります。変更登記が完了すると、法務局で、変更後の事業目的が記載された登記事項証明書が発行されますので、その登記事 項証明書を添付して内閣総理大臣の登録を申請することになります。
ところで、損害保険代理業を営むことができるようにするためには、定款の事業目的としてどのように表現すればいいのでしょうか。
過去の具体的な事例では、「損害保険代理業」、「損害保険代理店業務」、「損害保険の代理事務」などとするケースが大半です。また、自賠責保険を取り扱 う場合には「自動車損害賠償保障法に基づく保険代理業」とする例も多く見られます。生命保険については、「生命保険の募集に関する業務」とする例が一般的 でしょう。これらの記載をつなぎあわせて「損害保険代理業、自動車損害賠償保障法に基づく保険代理業及び生命保険の募集に関する業務」とするケースも多く 見られます。
なお、種々の保険を取り扱うという趣旨で「各種保険代理店業」という記載をしたところ、適切ではないという指導を受けた事例もあるようです。いずれにして も、記載方法については、あらかじめ保険会社に確認しておくのがよろしいかと思われます。